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9月30日 術後3日目
術後3日目の朝。
主治医のKK先生は、やはりワタシのおへそをチラ見でスルーして行った。
絆創膏の上から見て何が分かるんだろう?って思わなくもないが、上からみて変化がないってことは、悪くないってことなのだろう。
この頃になると、毎日KK先生を垣間みていたせいか、先生がどんな人なのか、外来の診察時には分からなかったようなことが、なんとなく見えてきた。ひとくちで言うなら、相当にせっかちな人だ。彼の頭の中では常に先へ先へ、人よりも一歩先に「その先」を予測し、行動に移したい人なのだと思う。

余談だが、退院後初の診察時に、おへその絆創膏をめぐって先生と格闘になった。絆創膏は細い紙テープを合板のように寄せた作りになっており、シャワーの度に細い紙切れを一本一本剥がしていたのだが、おへそ自体は隠れるくらいに残しておいたのだ。全て剥がしてしまうと、洋服に擦れて痛そうだったし、自然に剥がれ落ちるまではそのまま。。。というのが一般的なような気がしたので。ところが、退院後初の診察で、
「ちょっと傷口を見せて〜」と言われてとき、嫌な予感がしたので、
「絆創膏は自分で剥がします。自分で剥がしたいんです。」
と応えたところ、何も言わずにおへそに手が伸びてきたので、
「ピリピリ剥がしたら痛いからヤダーー!やめろやめろーーー!!」
とけっこうな勢いで訴え、足をバタバタさせて先生を蹴飛ばした。ような?気がする(笑)。
KK先生は何故かもの凄く笑いながらテープを剥がし、
「手術したとは思えないほど綺麗!毎回毎回、自分の仕事ぶりに自画自賛だよっ!!ほれ、見てみぃ。」
言われた通りにおへそを見ると、おへその下に2cmほど縦に切った跡があり、その上を横にチクチクと縫い目が見えた。綺麗なのかどうなのかは良く分からなかった(今は縫い目も分からないくらい綺麗だが赤黒い)。


9月30日 術後3日目_f0122159_21431025.jpg昼食はハヤシライスと缶みかん、サラダ。
ハヤシライスはとても美味しかったけど、酸味が加わればもっと美味しいと思いながら食した。
けっこうなボリュームで、食べきれなかった。

向いのベッドのAさんが、そろりそろりと廊下の向こう側から歩いて来た。
お互いにおぼつかない足下で、傷口をかばいかがら歩く姿を見て、
「な〜んかさ〜、バイオハザードみたいだよね〜」と笑いながらすれ違う。
Aさんにお見舞いが届き、お裾分けを頂いた。pastelのなめらかプリン・キャラメル味だ。と〜っても美味しかった。

夕方、おそらく5〜6時くらいだったか。KK先生がやって来て、手術の説明をしてくれると言う。そういえばワタシはまだ聞いてないなぁと思い手招きする方へ向かうと、パソコンの前に座るよう指示され、モニターに向かうと、なんと動画(!)で手術の様子を見ながら説明が始まった。


腫れた卵管。そう、水疱が出来ていたのは卵管で、卵巣ではなかった。鉗子でつまんだだけで、水疱は弾けて潰れ、中から透明な水が溢れ出て来た。

初めて見る自分の体内。自分の卵巣、子宮。。。あれ?あの黄色いのは何だろう?
「先生、腸の壁に付いている黄色いのは何ですか?」
「あれは脂肪。脂肪だよ、脂肪!」と、やたら脂肪を強調しやがる。
「脂肪は取って下さらなかったんですよね?やっぱスルーですか?」と聞いてみたら、無言でスルーされた。ちっ(舌打)。

おへそから入れたカメラが、体内から出たり入ったりする度に手術室の様子もカメラに写りこみ、それがこの手術をよりリアルに感じさせた。
癒着がひどい。不思議なのは、内膜症で癒着を起こす場合、体外に排出されずに残った経血が糊代わりとなって臓器同士ををべったりとくっつけてしまうケースが多いと聞くが、ワタシの場合は糊となる経血の介在は一切なし。ただ卵巣・卵管・子宮・腸などの臓器が、それぞれの一部分と吸い付くようにべったりくっつき、下手に剥がそうものなら穴が開きそうだった。子宮の裏側には空洞があるのが普通だそうだが、ワタシは子宮が後ろの壁にべったりとくっついていて鉗子すら入らなかった。
。。。という様子を全て動画で見ることが出来たのは非常にラッキーだったが、毎回こうして患者さんに動画で手術の様子を見せているのだろうか?と思わなくもなかった。
見たくない人もいるのではないかと。。。(笑)?

この後、退院前の診察を受けた際に
「毎日12キロの犬を抱えて階段を昇降しているんですが、そういったことはいつ頃から出来ますか?」
と聞いたところ、
「明日からどーぞ。そんなことで傷口が開くことは絶対にないです。でもまだ怖いでしょ?」だって!
要は、いつからでも出来る、ということらしい。がしかし、腹部の違和感が抜けず、すぐに12キロもの犬を抱える気になどなれなかったが(笑)。

術後の経過はいたって良好で、予定通り明日退院となった。
嬉しいような、夢から覚めてしまう寂しさのような、不思議な感覚でいた。
by pugslife | 2010-10-27 22:01 | たぶん日記
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