言いたい放題映画レビュー*悪魔のいけにえ
f0122159_21103410.gifトビー・フーパーの長篇デビュ−作は、低予算を逆手にとった演出が冴え渡たり、後世のホラー映画に多大な影響を及ぼす恐怖映画となった!

原 題the texas chainsaw massacre(74年/米)
監 督トビー・フーパー
脚 本トビー・フーパー キム・ヘンケル
撮 影ダニエル・パール
出 演
マリリン・バーンズ ガンナー・ハンセン エド・ニール アレン・ダンジガー ポール・A・パーテン 

世の中に「スプラッター」という言葉が存在しなかった1960年代。
ドライブ・シアター向けの低予算映画を作っていたハーシェル・ゴードン・ルイス監督の作品「血の祝祭日」が話題となり、狂喜(狂気)の連続殺人をストーリーにした映画が注目されるようになった。
それがスプラッターの原点と言われている。

本作は、そうしたスプラッターの中でも群を抜いて傑作といわれる作品であり、後にも先にもこれを上回る「狂喜の連続殺人映画」はないだろう。
(2年ほど前に「テキサス・チェーンソー」というタイトルでこの映画がリメイクされたのが記憶に新しい)
恐怖映画でありながら、非常に芸術的な香り(笑)のする超ド級スプラッターです。

私がこの映画を初めて観たのは、東京12チャンネル(当時)の昼過ぎの映画番組(今でも健在なのが嬉しい限り!)であり、当時の私は10代半ばくらいだったか?の子供だった。たしか夏休みのさなかだったかな?あまりの怖さに何度もチャンネルを変えたが、最後はどうなるのか?という興味でチャンネルを戻し、途切れ途切れにラストまで観終えた。
子供がテレビを見まくる夏休み、これが地上波で白昼堂々放映されていたこと自体、いまとなっては「凄い時代」であったのだと感じる…。

その断片的な内容が一つになったのは数年後。深夜のテレビ放映だった。
あの怖い映画は、やっぱり怖い怖い映画だったんだと再確認した早朝、ぐったりと疲れて「もう二度とスプラッターは観まい…」と思ったもんだ。
何度観ても怖い!そして疲れる!!なのに放映されると観てしまう、怖いもの好きの悲しい性(サガ(笑))!

強烈なシーンの連続という記憶でしかなかったのだが、改めて観てみると、ここで描かれた残虐シーンは意外なほどごく僅かであり、映画が始まって40分たらずで登場人物5人のうち4人が殺されるという旦那・レザーフェイス(人間の顔の皮を被った殺人執行人)の仕事の早さに今さら驚く(笑)。

低予算を逆手にとった演出が冴え渡り、低予算ゆえにリアリティ溢れる「狂喜」に観客は圧倒。
意味も理由もなく振りかざされるチェーンソーの音と悲鳴の音響効果で、何度観ても「もう止めてくれ〜」と席を立ちたくなってしまう。
が、この映画の素晴らしいところは、音を全て消し去ってサイレントで観ても、その「狂喜と狂気」が伝わってくるところだ。
これこそ低予算映画の面白さといった感じで、荒い画面、カメラワークの工夫と演出で、これ以上ない恐怖映画に仕上がっている。一種の芸術作品です。

この映画で注目されたトビー・フーパー監督は、後にスピルバーグ制作総指揮による「ポルターガイスト」で、霊界へと連れ去られた少女とその家族を描いたを映画を監督。シリーズ3に至るまでに、この映画の主要登場人物が皆亡くなってしまったことが私的に印象に残っている。
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by pugslife | 2007-03-07 21:09
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