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言いたい放題映画レビュー*ギルバート・グレイブ
言いたい放題映画レビュー*ギルバート・グレイブ_f0122159_2121688.jpgこの映画は私の心の宝箱に大切にしまっておきたい、珠玉の名作です。

原 題:WHAT'S EATING GILBERT GRAPE(94年/米)
監 督:ラッセ・ハルストレム
原作・脚本:ピーター・ヘッジス
撮 影:スヴェン・ニクヴィスト
出 演:
ジョニー・デップ レオナルド・ディカプリオ ジュリエット・ルイス ケビン・タイ メアリー・スティーンバーゲン

監督ラッセ・ハルストレムと芸術的なカメラワークが印象的なスヴェニン・ニクヴィスト。
絵画を思わせる構図と、美しい田舎の風景に誰もが感動するだろう。私はもう何度となくこの映画を観ているのだが、その度にエンドーラを吹き抜ける風を肌で感じる。
きっとこの先も事あるごとにこの映画をプレイヤーにセットし、モニターに映し出される全てのものに感動し続けるだろう。



冒頭、なだらかな丘に延びる一本の道。
この道のかたわらでギルバートとアーニーは大道芸人達のトレーラーが通るのを待つ。銀色に輝くトレーラーの列は、アーニーのお気に入りだ。このシーンから、一気に映画の世界に引き込まれていった。丘に延びる道筋のように、この映画へとぐんぐん、ぐんぐん…。

舞台はアイオワ州にあるという「エンドーラ」という町。
風になびく木々や砂埃・貯水タンク・グローサリショップやアイスクリーム店・古びたトラック・畑に積まれた藁・幼少の頃から知っている町の人々…それら全てが一体となり、エンドーラという架空の町に命を吹き込んでいる。

物語はギルバートの日常を中心に、ベッキーという春風のような少女が登場することで、静かにゆっくりと動きだす。
台詞の一つ一つが印象的だ。中でも私が好きなのはこんな会話。
「彼女を忘れない?」
「あぁ」というギルバートとベッキーの会話。
ギルバートが年上の女性と不倫していたことを悟り、複雑な思いでベッキーは尋ねる。
「彼女を忘れない?」と、必要最小限の言葉で。
そして「あぁ」という彼の応えを聞き、やはりこの人は優しい人なんだと確信した瞬間のベッキーのあの表情!
なんであんな表情が出来るのでしょう?

この映画は、人生しがらみだらけのギルバートと知的障害を持つアーニー、そして春風のような少女ベッキーという三人の主要人物を、いかに自然に嫌味なく演じられるかで映画のクオリティが左右されたでしょう。
アーニー役など一歩間違えばピエロだ。
ところが、当時16歳のディカプリオ、嫌味なくサラリと軽やかに演じています(この映画で助演男優賞にノミネート)。

この映画以降、三人とも出演作が後を断たないのは知っての通り。
ここでの共演がきっかけで「バスケットボール・ダイアリー」で再び顔を合わせたディカプリオとジュリエットは、そこでも素晴らしい演技を披露してくているし、「太陽と月に背いて」でのディカプリオはヴェルレーヌの愛人・ランボーを堂々と演じており、風格すら感じたものです。その後の活躍は。。。そう、大スターになっちゃいましたね、ディカプもデップも(笑)。

ブラピとの仲が崩壊した後のジュリエットは、近年あまり作品に恵まれていないのが残念(っていうか1度引退した?)。
「カリフォルニア」「ケイプフィア」「ナチュラル・ボーン・キラーズ」での彼女は異常なくらい猛烈なオーラを放っていたし、生まれながらの天才女優だとワタシは今でも思っているよ。
by pugslife | 2007-03-07 21:03
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