監 督 デイビッド・フランケル
製 作 ウェンディ・フィネルマン 脚 本 アライン・ブロッシュ・マッケンナ 原 作 ローレン・ワイズバーガー 衣 装 パトリシア・フィールド 出 演 メリル・ストリープ アン・ハサウェイ エミリー・ブラント スタンリー・トゥッチ 本作で真っ先に触れなきゃならんのはココでしょう(笑)。 「SEX AND THE CITY」でサラ・ジェシカ・パーカーをファッション・アイコンにしたパトリシア・フィールドが衣装全般を担当。本作でも彼女の独創的なスタイルが大炸裂しており、洋服や小物等スクリーンに映し出される全てのアイテムがと〜ってもゴージャスで魅力的! 今回の注目すべきスタイルはもちろん若くてスタイルバツグンのアン・ハサウェイですが、心底驚いたのは、あの田舎臭いメリル・ストリープがあそこまでゴージャスに変身していること(笑)! さすがパトリシア・フィールドと拍手したくなってしまいます。 ワタシのツボにびたっとハマってしまったゴージャスで楽しい作品です。 しかし、話の筋はいたって単純というかステレオタイプですし、ご都合主義なハリウッド作品です(でも意外と好きなんですよ、こういうの(照))。 ジャーナリスト志望のアンディが、ひょんなことからファッション紙の業界最大手「ランウェイ」に入社したその日から、ツッコミどころ満載なお話が展開しますが、そんな浮ついた印象をメリル・ストリープ扮するミランダの存在がビシっと引き締め、いつの間にやらこの作品のペースに気持ち良く振り回されてしまう、そんな作品です。 あらすじ アンディ(アン・ハサウェイ)はジャーナリストを志しNYにやって来る。オシャレに関心のない彼女は、無謀にも一流ファッション誌ランウェイの面接を受ける。編集長ミランダ(メリル・ストリープ)のジュニア・アシスタントの仕事を手に入れるのだが、翌朝から24時間公私の区別なく携帯が鳴り続ける悪夢の日々が始まった。(シネマトゥデイより) 「ヒトは見かけじゃぁない、中身が重要」。アンディはそんな思想の持ち主です。 裏を返せば、中身に自信がないヒトほど外見にこだわる。。。ってことでしょうか? ジャーナリストを志望しているアンディは、ファッション紙の最大手に採用されながらも、ここ(ランウェイ)に長居するつもりはないと言い放ち、いま彼女がしなければならない勉強(つまりはファッション)を最初から放棄している、甘ったれで頭デッカチなお子ちゃまです。 彼女がこの職場にこだわる理由はただ一つ。 ここで1年頑張れば、希望する職場への路が開かれるから。。。 (しかしながら)ジャーナリストを志望しているいるにも関わらず、興味がないことにはアンテナすらも伸ばさない、というのは如何なものか(笑)?興味がないとはいえ、彼女はファッション紙業界の最大手に就職しているというのに。。。(笑)! とまぁ、そんなツッコミを入れたい気持ちは山々でしたが、それこそがこの映画が言わんとしていることなのかもしれません。 いま与えられた場所で最善を尽くすこと。出来る努力ならしてみること。それが「仕事」なんですよね。 どんな仕事に就くにしても、働くオンナは大変なんです。 歯も磨かずに出勤する男だって居るだろうに、どんなに時間がなくても髪を整えメイクをし、昨日とは違う服で出かけるのがオンナです。服や化粧品やらにお金がかかるヒトは、節約の為に早起きしてお弁当を作ったりもします(笑)。 オンナにとってファッションは、「自分の人となり」を示す、最小にして最大の表現手段だったりするのです。 そんなオンナの職場が、ファッション業界屈指の鬼部長が居る部署となったら。。。と想像しただけでも気が狂いそう! ミランダ役に扮したメリル・ストリープ、最高でした。 映画の序盤で「ファッションに興味のない人間が選んだ安っぽいセーター」の色合いについて語るシーンは、大女優メリル・ストリープここにあり。でしたね。業界においての彼女の地位・立場がどれほどのものかが分かる重要なシーンです。 このシーンでの彼女の語り口調で、本作のクオリティが決まったのではないでしょうか? 抑揚やら感情やらを抑えた口調でありながら、背筋が凍るほどの緊張感が伝わってくるシーン。素晴らしいです。 アンディ役には代わりがいくらでも居るでしょうが、ミランダ役にはメリル・ストリープ以外考えられません。 公私混同・無理難題で、アンディの私生活まで崩壊させる暴君部長ですが、実はミランダ自身、下積み時代はそうした日々だったのではないか?それをクリアしてきたからこそ、いまの彼女の地位があるのではないか?とさえ思えてきます。 そう思わせてしまうメリル・ストリープは、やはり名女優なのだと改めてそう感じました。 そんな暴君ぶりを恨みながらも、素敵な助っ人を得たアンディは、ミランダの期待に応える努力を始めます。 もともとの資質が良いアンディには、助けたくなる何かが備わっているのでしょう。 さなぎが蝶になってゆく描き方が軽快でファッショナブルなうえに、準主役達が実に魅力的です。 アンディの甘ったれぶりを指摘し見方になってくれたナイジェル、なんだかんだ言っていいヤツなエミリー。 面白い作品には素敵な脇役が必要不可欠。この作品の脇役達も、みな本当に魅力的です。 ただ一つだけ残念だった(というか欲を言えば)のは、映画の終盤。 自分の居場所はここ(ランウェイ)じゃないと悟ったアンディが、新聞社に面接に行ったシーンでのこと。 ランウェイで1年すら続かなかった事への言い訳が「仕方がなかった」という台詞。 この台詞は映画序盤から何度もアンディから発せられますが、たとえ短くとも社会経験(しかも激務)したのだから、成長の具合を台詞にも織り交ぜて欲しかったなぁ〜と。 ま、仕方ないか(笑)?
by pugslife
| 2007-03-07 19:52
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