人気ブログランキング | 話題のタグを見る
言いたい放題映画レビュー*許されざる者
言いたい放題映画レビュー*許されざる者_f0122159_021884.jpg銃撃戦のアクションで有名になった俳優が、自らのキャリアを否定するかのような映画を製作。
オスカーを受賞した。

原 題   unforgiven(92年/米)
監督/制作 クリント・イーストウッド
脚 本   デイヴィッド・ウェッブ・ピープルズ
音 楽   レニー・ニーハウス
編 集   ジョエル・コックス

出 演   クリント・イーストウッド ジーン・ハックマン モーガン・フリーマン ジェームズ・ウールベット リチャード・ハリス



間違いなく傑作と呼べる作品。
いまこの時代に、こうした映画を制作したイーストウッドの映画人魂に恐れ入ってしまう。
この映画が世に出たことで、アメリカは西部劇を作ることに終止符を打ってしまった。と言うより、作れなくなってしまった。
それは、西部劇には不可欠な銃撃シーンに「引き金の重さ」という深い意味合いを持たせたことで、この映画がとてもつもない傑作になったからでしょう。
私は劇場で観た時、エンドロールが終わった後も席を立てずにそこに居座ってしまった。
そのくらいに衝撃的だったのだ。

何度観ても胸が震える。
この映画は私の映画勧賞史上トップ10の座にいつまでも居座り続ける違いないっ!「感動」という陳腐な言葉では到底語り尽くせない。

70年代のアクション映画を彩ってきた俳優達が、いまは初老の域に達している。
私がC・イーストウッドという俳優を知ったのは、映画好きである両親の影響だった。幼少の頃、各テレビ局では昼も夜もアメリカ映画が放映されており、私ら貧乏一家の楽しみは、こうしたアメリカ映画をテレビで観ることだった。とりわけイーストウッドは、寡黙なガンマン、あるいは警官として、父の大のお気に入りだった。銃の腕はピカイチ、多くを語らず悪しきを制すあたりが、父の心を捕らえていたのだろう。
そのイーストウッドが、これまでのキャリアを否定するかのような作品で、映画史上に残る名作を作った。それが本作「許されざる者」だ。

派手なアクションや銃撃シーンは一切介在しない「西部劇(ドラマ)の傑作」である。かつて数々の銃撃シーンでアクション・スターに上り詰めた俳優が、銃撃の意味合いを、引き金の重さを寡黙に語ることで、オスカーを受賞した。素晴らしい。

これ以上は語るまい。野暮なので。
by pugslife | 2007-03-07 00:23
<< 50音順INDEX/映画レビュー 言いたい放題映画レビュー*ラブ... >>